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医療者と患者さんの「温度差」を埋めるために

執筆者の写真: 悠子 川端悠子 川端


近年、医療の現場では電子カルテの導入が進み、医師がパソコンに向かいながら診察を行うことが一般的になっています。診察時間が限られている中で、医師が患者さんの話を聞きながら記録を残し、適切な判断をするためには必要なことです。しかし、患者さん側からすると、「ちゃんと伝わっているのかな?」「私の気持ちをわかってもらえているのかな?」と不安に思うこともあるかもしれません。

また、多くの患者さんが診察を受ける中で、「あまり自己主張して困らせるのも…」と遠慮してしまう方も少なくありません。しかし、診察では、患者さんが「伝えること」、**医師が「理解し、記録し、判断すること」**が求められます。医師としても、できるだけ多くの患者さんを理解し、しんどさを和らげたいという思いを持っていますが、どうしても患者さんの不安が生じる場面はあります。

心理士や看護師が橋渡し役に

このような状況の中で、心理士や看護師が医師との橋渡し役をすることがあります。

  • 心理士の役割

    • 患者さんの不安に寄り添う

    • 個人情報を守りながら医師に伝える

    • 電子カルテに患者さんの気持ちを記録する

看護師も同じような役割を担うことがあります。こうしたサポートを通じて、患者さんが抱える思いが医師に伝わりやすくなり、より適切な診療へとつながることが期待されます。

患者さん自身の「発信する力」も大切

心理士や看護師は、患者さんの様子を見て声をかけることもありますが、患者さんが「言うほどでもないから…」と遠慮してしまうと、どうしても伝わらないことがあります。どんなに小さなことでも、気になることがあればぜひ話してほしいと思います。これが、患者さん自身の「発信力」につながります。

医療者と患者さんの間のコミュニケーションの溝が埋まることで、より安心して医療を受けられるようになります。

セカンドオピニオンにおける取り組み

こうした課題を踏まえ、私たちはセカンドオピニオンの場でも、医師の相談前に心理士が介入し、患者さんの今の想いや大切にしてきた考えを的確に捉え、言語化する取り組みを行っています。

  • 患者さんの「一部分」ではなく「多面的」に理解する

  • より安心できる環境でセカンドオピニオンを受けられるようにする

このような工夫を取り入れることで、患者さんが自分の気持ちを整理し、納得のいく医療を受けられる環境を整えていきたいと考えています。

患者さんが少しでも安心して、自分の気持ちを伝えられる場を作ることが、より良い医療につながると信じています。どんなことでも気軽に話していただけるよう、これからも工夫を続けていきます。

読んでいただき、ありがとうございました。


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