情報収集が止まらない——不安に飲み込まれそうな時のヒント
- 悠子 川端
- 5月22日
- 読了時間: 2分
乳がんと診断されたあと、検索が止まらなくなってしまう——
そんな話を、本当によく聞きます。
「ステージ別 生存率」
「抗がん剤 副作用 いつから」
「全摘 後悔」など……。
寝る前にスマホを開いて、気づけば夜が明けていたという方も。
調べること自体は決して悪いことではありません。
不安を和らげたい、準備をしておきたい。
そんな思いから、検索に走るのはとても自然なことです。
けれど、同じキーワードを繰り返し調べるうちに、
・似たような不安ばかりが増幅してしまう
・自分に当てはまらない体験談まで引きずられる
といったことも起こりやすくなります。
これはいわゆる“ぐるぐる思考”と呼ばれるもの。
心配が心配を呼び、ますます気持ちが苦しくなってしまう。
そんな悪循環に入り込むことがあります。
心理士としては、そんなときこそ次のような視点を持ってほしいと考えています。
「不安だから調べた」ことを責めない
「今の自分に本当に必要な情報か?」と立ち止まって考える
「検索をやめるタイミング」をあらかじめ決めておく
そして、CBT(認知行動療法)では、
「気持ちが変わるのを待つ」よりも、
「先に行動を少し変えてみる」ことで思考の流れが変わることを大切にしています。
たとえば:
スマホを閉じてお茶を淹れる
気持ちを書き出してみる
呼吸を整えてみる
そんなちょっとした行動でも、思考のループから距離をとるきっかけになります。
不安をなくすことはできなくても、
その不安に飲み込まれずに過ごす工夫は、きっとできるはずです。
「私は今、何を知りたくて、何に疲れているんだろう?」
そう問いかけながら、自分のこころにも目を向けてみてくださいね。
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