top of page
検索

情報収集が止まらない——不安に飲み込まれそうな時のヒント

乳がんと診断されたあと、検索が止まらなくなってしまう——

そんな話を、本当によく聞きます。


「ステージ別 生存率」

「抗がん剤 副作用 いつから」

「全摘 後悔」など……。

寝る前にスマホを開いて、気づけば夜が明けていたという方も。


調べること自体は決して悪いことではありません。

不安を和らげたい、準備をしておきたい。

そんな思いから、検索に走るのはとても自然なことです。


けれど、同じキーワードを繰り返し調べるうちに、

・似たような不安ばかりが増幅してしまう

・自分に当てはまらない体験談まで引きずられる

といったことも起こりやすくなります。


これはいわゆる“ぐるぐる思考”と呼ばれるもの。

心配が心配を呼び、ますます気持ちが苦しくなってしまう。

そんな悪循環に入り込むことがあります。


心理士としては、そんなときこそ次のような視点を持ってほしいと考えています。


  • 「不安だから調べた」ことを責めない

  • 「今の自分に本当に必要な情報か?」と立ち止まって考える

  • 「検索をやめるタイミング」をあらかじめ決めておく



そして、CBT(認知行動療法)では、

「気持ちが変わるのを待つ」よりも、

「先に行動を少し変えてみる」ことで思考の流れが変わることを大切にしています。


たとえば:


  • スマホを閉じてお茶を淹れる

  • 気持ちを書き出してみる

  • 呼吸を整えてみる



そんなちょっとした行動でも、思考のループから距離をとるきっかけになります。


不安をなくすことはできなくても、

その不安に飲み込まれずに過ごす工夫は、きっとできるはずです。


「私は今、何を知りたくて、何に疲れているんだろう?」

そう問いかけながら、自分のこころにも目を向けてみてくださいね。

 
 
 

Comments


bottom of page